名古屋市では毎年1月に家族をテーマにした啓発イベントが開催されます。大規模なホールでステージや作品展示、工作体験やアトラクションなどが提供され、親子がたっぷり楽しんで家族の大切さを再認識しよう、という主旨のイベントです。ま、そういうものに興味のない私は今まで足を運んだことがなかったのですが、PTA絡みで息子が通う小学校が担当するブースを手伝うことになってしまいました。ブースのテーマは、子どもを対象にした「鳴海絞り体験」。
鳴海絞りとは藍色を主とした絞り染めで、江戸時代から今に伝わる国の伝統工芸です。その昔は、私が住んでいる東海道の鳴海宿近辺でとても盛んな産業だったようですが、徐々に衰退し規模はかなり縮小しました。しかしながら今でも地元の大切な伝統工芸品として健在です。
この鳴海絞りを体験できるブースでは、子どもたちが簡単な伝統柄のハンカチを作成します。無地のハンカチの数か所を紐で絞り、藍色に染め、縛った紐を解くと染まらなかった白色の部分が柄になるのです。私の担当は染めの作業を指導すること。そこで先日、近所にある鳴海絞りの染物工房に出向いて染めの基本を教わり、イベント当日に着るスタッフTシャツなるものを染めてきました。
Tシャツの胴の部分3か所を麻紐できつくグルグル巻きにして、濃い藍色で染め、2か所を解いて薄い藍色で染め、残った紐を解いて完成。とても簡単な作業ですが、出来は参加者それぞれ千差万別で面白い。仕上がってみないとどんな柄になるのか分からないところも魅力です。
自分の家の近所にこんな伝統文化があることに感謝しつつ、
イベントが成功に終わるようにこれからも準備を進めていきます。