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暖房が殆ど不要なほど断熱性能が高い「パッシブハウス」はいい。
でも、一年中窓を閉めたまま、省エネなエアコンに頼る生活は
私の思い描く暮らしではない。

高断熱・高気密な家の窓を、暑い時はあけ、寒い時はしめる。
夏は風の力を借りて、冬は太陽の力を借りる。

断熱と気密の本の中で、この考えにぴったりな本に出会った。
住宅技術評論家の南氏の著書。

スラスラわかる断熱・気密のすべて スラスラわかる断熱・気密のすべて
必要なのはどの断熱工法がよくて、どれがダメなのか?ではなく、純粋に断熱・気密の理論を学ぶこと。章のはじめには三人の主婦が登場して、色々な視点からの断熱・気密に関する疑問を浮き彫りにさせ、その疑問にゆっくり解説していく。住宅断熱で必要なすべての項目をわかりやすく網羅し、しかも持論である健康で快適で省エネで日本らしい「新自然住宅」のデザインにまで導く。

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「新自然住宅」の基本的な考え方
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・必要なレベルの高断熱・高気密を

・でも、小さく少ない窓を閉めたまま、機械に空調管理を任せるような家ではない。大きい窓をあけたりしめたりしながら、人が季節を感じながら暮らす家

・また、かっちりとした個室がいくつもある家ではない。吹抜、襖、障子、縁側などで、家を一つにしたり、区切ったりする家

・冬は南の大きな窓から日射を最大に取り入れ、土間などに蓄熱させる

・夏は北の地窓から涼しい空気を取り入れ、高い窓から熱風を逃がす。夏の土間はひんやり

高性能で省エネの冷暖房よりも、
太陽と風の力で、冷暖房を使わないにこしたことはない。
太陽と風はCo2も出さないし、なんといっても無料(笑)
ウチも、自然の力を借りる「日本らしい高断熱住宅」!


ウチの最重要事項は「暖かい家」
一番お安く家を暖かくする方法は、断熱と気密の強化!
家全体の断熱と気密が高まれば、外に逃げる熱も減り、
暖房費も安くなる。

ということで、断熱と気密のお勉強。
青森を中心に無暖房!住宅を建てる西方氏の著書。

最高の断熱・エコ住宅をつくる方法 最高の断熱・エコ住宅をつくる方法
大好評9刷を重ねた既刊「外断熱が危ない」の著者
によるCO2 25%削減時代の家づくりノウハウを紹介。
住宅断熱の第一人者がこれからの日本の住宅の
あるべき姿、そして具体的な技術的提案を図解説明。

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「最高の断熱・エコ住宅をつくる方法」の基本的な考え方
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・省エネルギーで耐久性があり、家中が暖かく動き回れる家は、環境と人への負担が少ない

・次世代省エネルギー基準クリアは当然(首都圏などⅣ地域はQ値2.7W/m2k)。これからは、暖房が殆ど不要なほど断熱性能を高めた家「パッシブハウス」を目指すべき

・断熱方法や断熱材はいろいろあるが、何でなければダメということはない。重視したい特性や価格によって選べばいい。重要なことは、それをきちんと施工できるか

・防湿・気密こそ徹底的にこだわる

・窓の断熱は、暑い地域は日射を遮ること優先に、寒い地域は冬の日射を取り入れることを優先に

・換気は、高断熱・高気密のレベルとあわせる

・高断熱住宅はFF式ストーブ一台でもOK。薪ストーブや、ローコストな床下暖房なども有力

 

ウチは次世代省エネ基準(宮城・山形などのIII地域)の
Q値2.4W/m2k以下を目指すことにした。
そして、断熱と気密の強化は、建築時なら数十万円から可能。
ここだけはお金をおしまない、と決めた(^ ^;)


10年後に建替えるつもりで買った「傾いた古家」は、
あくまでも土地のおまけ、建物評価ゼロ(^ ^;)
でも、少し手を入れて12年間もお世話になった。

建替する家の概要を決めるために、古家への思いを整理。

よかったこと
・全体的に窓が多く、明るく、風が通る
・特に南面の窓は大きく、冬でも日中は暖かい
・軒が出ているので雨を気にせず、洗濯物を干せ窓を開けられる
・1Fは引戸を開けると、和室・リビング・DKが一体化して気持ちいい
・洗面所とキッチンが隣りあわせで、家事がしやすい

不満だったこと
・冬はトイレに行くのに勇気がいるほど、家中が寒い
・夏は細かく分かれている2F居室が暑い
・比較的涼しい1Fも窓を開けて寝るのは無用心で出来ない
・一番日当たりと風通しがよい場所に、殆ど使わない和室がある

毎年冬になると、あまりの寒さに
「藁葺き屋根の家ほど古くないけれど、
 もしかしたらそれよりも寒いかも・・・」と建替の話が出て、
暖かくなると、立ち消えになっていったことを思えば、
古家は「夏を旨にすべし」に則した家と言えるかもしれない(笑)

しかし、気温0度の真冬に暖房に要するエネルギーと、
気温30度の真夏に冷房に要するエネルギーを比べると、
圧倒的に暖房の方がエネルギーを要することは、
気温差から、明らかだ!

ということで、
ウチの最重要事項は「暖かい家」となった。


もと環境省事務次官(環境省のトップ)小林光氏が、
両親との同居をきっかけに改築をして2000年春から住む住宅は、
太陽熱利用、太陽光発電、風力発電、徹底した気密と断熱、
自然素材の使用、雨水・風呂場排水を利用するシステム、
薪ストーブなど、まさに“フルコース”と呼べるエコ住宅。

自身の著書「エコハウス私論」には、
一般住宅でもありえる建築前~建築後の様々なトラブルはじめ、
費用明細と効果などデータとともに詳細が語られている。

エコハウス私論―建てて住む。サスティナブルに暮らす家 (ソトコト新書) エコハウス私論
地球と平和に同居することは人類のいわば定めである。
エコハウスこそ、そのための決め手だ。
それにチャレンジできる。わくわくする話じゃないだろうか。
エコハウスには、世の中を変える力がある。

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何がエコなのか?
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風力発電、薪ストーブなど派手な?手法は、彼の仕事柄の探究心の結果でもある。それよりも本の中では基礎体力として、4つの重要事項を語っている

1)基礎と構造:家が長持ちすること 
  基礎のコンクリート強度27N/mm2指定のところ、実際は39N/mm2
  通し柱12cm角、18cm角

2)断熱対策:家が熱を逃がさないこと
  次世代省エネルギー(平成11基準)のQ値(熱損失係数)は、
  東京ならば2.7W/m2Kのところ、東北なみの2.0W/m2K

3)気密対策:家にすきまがないこと
  次世代省エネルギー(平成11基準)のC値(隙間相当面積)は、
  東京ならば5cm2/m2以下のところ、実測値4.6cm2/m2

4)素材の選択:家が自然素材でできていること
  無垢の間伐材、予算の都合で諦めた塗り壁のかわりに壁は月桃紙
  

上記は、「未来の住宅」の重要点とも重なる。
興味のある設備や手法はたくさんあるけれど、
予算に限りがある以上、少なくてもこの4点は心しようと思った(^ ^;)
また、素人だからこそ、仕様スペックとして、
小林氏のように数字を大事にしようとも心にとめた。

そうそう、小林氏はエコハウスを「地球との同居」と語っているが、
老親と甥とも同居をして3世代+αの7人が住み、執筆当時は5人。
このような住む人をおおらかに受け入れる家や暮らし方が
エコなんじゃないだろうか?
小さい家でも老親や甥姪を受け入れられるフレキシブルな間取、
作り方も考えてみようと思ったのだった。


未来の住宅」教授たちが取材したエコハウスの住人は、
100万人のキャンドルナイトを仕掛けたコピーライター、
@マエキタミヤコさん

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何がエコなのか?
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・100%リサイクルできる鉄板を組み合わせてできている
・きっちりとした部屋はなく、連続した空間で家族の気配がいつも感じられる
・収納が殆どないので、無駄なものがふえない
・居住面積を優先せず、小さい土地の中からさらにセットバックして、もともとあった梅7本を残した
・もともとあった掘った土を屋上に戻してミミズを放ち、何がはえるかわからないコンポスト屋上庭
・便利だけを追求しない、チャレンジングな家

私はこの家のことは、マエキタミヤコさんの本で知っていた。
チャーミングなエコシフトを説く筆者が、その実践の一つとして
建てて暮らす自宅の話はとても興味深かった、
「エコシフト」

エコシフト 
世界はこんなに楽しくエコシフトしている!
百万人のキャンドルナイトやホワイトバンド・キャンペーンはこうして始まった。仕掛け人がその舞台裏と、まったく新しい地球と個人の距離感の縮め方を明かす。

 
マエキタミヤコさんは建築家に「エコ住宅」を依頼した。
建築家・妹島和世さんを信頼し、細かいことは依頼せず、
できた家を住みこなす気持ちだったからこそ、
素晴らしい家ができたのだ。日本建築大賞も受賞している。

建築家に委ねて、自覚していない望みをかなえた家もいい!
 
でも、私と家族は、たった1度の家作りを
そこまで委ねられないかもしれないとも思ったのだった(^ ^;)


「はぴあす」1歳の誕生日、どうもありがとうございます!
2年目も、はやし、shinra、パルビの3人を中心に、
もう少し自由なお題で綴っていきます。
気持ちは今まで通り、「みんなでつくる歳時記。
地球にやさしく、明日をよりハッピーに♪」

 
さて、私事ですが、縁があって助成金をいただき、
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスを建築中です。
10年後に建替えるつもりで傾いた古家付の土地を買い、早12年。
昨年の大震災では基礎にヒビが入り、重い腰をあげました。
しばし、家作りを通じての学びや思いを書いていこうと思います。

最初に大きな感銘を受け、
気がついたらこの本に戻っていた気がする本「未来の住宅」

未来の住宅 未来の住宅 
地球温暖化防止のため、2050年にはCO2の排出量80%削減が目標。この厳しい状況を肯定的に捉え、本当にエコかつ快適で美しい住居を考え、実際に建築する!東北芸術工科大学の教授陣中心のプロジェクト

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「未来の住宅」の基本的な考え方
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・地球温暖化に対して、2050年にCO2の排出量を80%削減するエコハウスを目指す

・理想スペックを明確にし、予算の都合で「積み残し」たものは徐々に加えていくような建て方と住み方をすることで、最終的に目標を達成する

・エコハウスの条件は2つだけ
  1)エネルギーをできるだけ使わないように、省エネ化する
  2)使うエネルギーをできるだけ再生可能なエネルギーとする

・エコハウスが排出するCO2は2種類
  1)建築段階:建てるとき(一般木造住宅で50トン)
  2)生活段階:住むとき(平均家庭で年3トン)

・建築段階の負荷を考えると長く住む事が不可欠(木造住宅ならば建築段階の負荷が1/4となる50年住める家)また、長く住むほど生活段階の比率が高くなるので、生活段階での排出量を抑えることも同様に重要

 
この本では省エネについては具体的なスペックを表示。
地球温暖化のためだけでなく、
私の経済的事情のためにも、家自体の耐久性も必須(^ ^;)

ただ、頑丈な家なら、長く住めるとは限らないかもしれない。
居心地がよくないと、住めても、住まなくなる。。
この居心地よさの源(特に簡単にリフォームできないこと)は
何なのかをまず家族で考え、一緒に考えて実現してくれる
家の作り手を探そうと決意したのでした。

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